前々回の「なぜ」記事のメカニズムから、ある字が崩れやすいかは次の3点でほぼ見当がつく。
逆にかな・英数字・低画数の常用漢字は安全(小集合・高頻度・低画数で、3条件のどれも踏まない)。下のリストはこの基準+これまでの実験結果から作った。
「✓実験」は、今回までの実験で実際に崩れたのを確認した字。画数は字体・数え方で前後する目安です。
| 字 | 目安画数 | 例・備考 |
|---|---|---|
| 鬱 | 29 | 憂鬱・鬱蒼 ✓実験 |
| 鸚 鵡 | 28 / 13 | 鸚鵡(おうむ) |
| 鷹 | 24 | 鷹狩り ✓実験 |
| 籠 | 22 | 籠細工・鳥籠 ✓実験 |
| 鰻 | 22 | 鰻丼・鰻重 |
| 纏 | 21 | 纏める・纏足 |
| 簾 | 19 | 暖簾(のれん)・御簾 |
| 薔 薇 | 16 / 16 | 薔薇 ✓実験 |
| 黛 | 16 | 眉黛・人名 |
| 麒 麟 | 19 / 24 | 麒麟 |
| 字 | 目安画数 | 例・備考 |
|---|---|---|
| 鑑 | 23 | 鑑定・図鑑 |
| 響 | 20 | 影響・音響 |
| 競 | 20 | 競争・競技 |
| 醸 | 20 | 醸造・醸成 |
| 藻 | 19 | 海藻・藻類 |
| 鶏 | 19 | 鶏卵・養鶏 |
| 顕 | 18 | 顕微鏡・顕著 |
| 験 | 18 | 体験・実験 ✓実験 |
| 薬 膳 | 16 / 16 | 薬膳 ✓実験 |
| 整 | 16 | 整体・整理(シーン埋め込みで崩れた) ✓実験 |
| 字 | 目安画数 | 例・備考 |
|---|---|---|
| 蒼 | 13 | 蒼白・鬱蒼 ✓実験 |
| 園 | 13 | 囲い字。薔薇園で崩れた ✓実験 |
| 鋳 | 15 | 鋳物・鋳造 |
| 璧 | 18 | 完璧 |
| 葛 | 12 | 葛藤・葛粉 |
| 黎 | 15 | 黎明 |
山 田 本 人 大 中 央 市 民 文 化 会 館 東 京 院 体 学 校 店 駅 円 月 日 年 上 下 左 右
+ ひらがな・カタカナ・英数字はほぼ常に正常。実験でも、常用・低画数の字(市民文化会館・東京・中央公民館など)は低品質経路でも安定して描けた。
常用/常用外(頻度)に加えて、Unicodeのどこに配当されているかからも、より機械的に危険度を読み取れる。効くのは次の2つ。
| シグナル | 内容 | 危険度 |
|---|---|---|
| ① UTF-8バイト長(所属プレーン) | BMPの漢字=3バイト。補助漢字面(拡張B以降, U+20000〜)=4バイトでトークン分割が深く、未学習トークンになりやすい | 4バイト=🔴 |
| ② どのCJKブロック / JIS水準 | URO(U+4E00〜9FFF, 常用はここ)< 拡張A < 拡張B以降(補助平面)。日本語ならJIS第3・第4水準が補助平面の4バイト字を多く含む | 第3・4水準=🔴 |
注意:同じブロック内ではコードポイントの数値そのものは危険度を予測しません(URO は部首→画数順で、頻度順ではないため)。Unicode配当は「希少さ・追加された時代の代理」であって、原因は相変わらず画数×頻度です。
共有スペースの影響を排除するため、補助平面の4バイト漢字を1文字だけ大きく生成した。結果、強いモデル(gpt-image-2)でも全滅——𩸽(ほっけ)は魚へんの別字に、𠀋(たけ)は別字に、𡈽(土の異体)は常用の「土」に、𠮷(土+口)は常用の「吉」に化けた。一方で、BMPの「鬱」(29画)は同じ条件で正確に描けた。
| 挙動 | 字(実測) |
|---|---|
| 🔴 崩れた | 鬱 蒼 籠 細 鷹 狩 験 薔 薇 薬 膳 整 園 |
| 🟢 崩れなかった | 山 田 教 室 市 民 文 化 会 館 中 央 東 京 院 体 + かな・カナ |
「本→イ木」「室→空」「体→休」のように、低品質では常用字でも崩れることがある点には注意(崩れやすさは品質・構図・モデルでも動く)。
このリストは「メカニズム(高画数 × 低頻度)+これまでの実験」から作った実用の目安で、網羅的・公式なものではありません。崩れやすさは文脈(品質・構図・モデル世代)でも変わるので、🔴の字でも gpt-image-2 の高品質なら描けることはあります。逆に🟢でも、低品質でシーンに小さく埋め込むと崩れ得ます(詳しくは 症状と対処法)。