まず素直な方から。書体の系統を言葉で指定するのは、モデルを変えても効いた。gpt-image-2 は実践編のとおり 明朝4/5・丸ゴ5/5・筆5/5。gpt-image-1.5 を同条件で回すと 明朝5/5・丸ゴ5/5・筆5/5 と、むしろ明朝はより安定して系統が出た。
「ゴシック/明朝/丸ゴ/筆」のような系統の言葉は、どちらのモデルでもちゃんと届く。逆に言えば、ここはモデル選定で悩むところではない。差が出るのは次の2点だ。
実践編で見つけたのが、丸ゴの参考画像を「絵のある背景」に転写すると、むしろ角ゴ化する逆効果だった(gpt-image-2 で丸ゴ判定 1/5)。同じことを gpt-image-1.5 でやると——逆効果はほとんど出ず、多くは丸ゴのまま(丸ゴ判定 3/5)。
つまり「参考画像+絵の背景で丸ゴが崩れる」は gpt-image-2 に強く出る癖であって、普遍的な法則ではなかった。そして——どちらのモデルでも、参考画像が言葉だけを上回ることはなかった。明朝・丸ゴ・筆のどれも、参考画像にして良くなったセルは無い。挙動がモデルでブレる時点で、参考画像は書体を固定する手段として当てにできない。
本編で「弱経路(透過)では文字が崩れる」と書いたが、今回は崩れにくい opaque/low に固定している。それでも gpt-image-1.5 は 30枚中2枚で文字が崩れた。どちらも「言葉だけ・丸ゴ」のケースだ。
半濁点(パ)が濁点(バ)に化ける、画数の多い漢字(房)が別字になる——いずれも“絵として字を描く”モデルらしい崩れ方だ(→ なぜそうなるかは本編②「なぜ崩れるのか」)。重要なのは、同じ条件で gpt-image-2 は一度も崩れなかったこと。世代が新しいほど日本語テキストは安定する、という素直な差が出た。裏を返せば、gpt-image-1.5 で確定テキストを描かせるのは opaque でもまだリスクが残る。
数字は「狙った系統に一致した回数 / 5」。文字崩れは独立判定で確認した枚数。
| 狙う書体・指標 | gpt-image-2 | gpt-image-1.5 |
|---|---|---|
| 明朝(言葉だけ/参考画像) | 4/5 / 4/5 | 5/5 / 5/5 |
| 丸ゴ(言葉だけ/参考画像) | 5/5 / 1/5(角ゴ化) | 5/5 / 3/5 |
| 筆(言葉だけ/参考画像) | 5/5 / 5/5 | 5/5 / 5/5 |
| 文字崩れ(30枚中) | 0 | 2(パ→バ・房崩れ) |
モデルを変えても、大枠の結論は動かない——①系統は style語 で指定できる、②参考画像は当てにならない、③正確な文字・正確な書体が要るなら合成。一方で細部はモデルで変わる——丸ゴの逆効果は gpt-image-2 に強く出て gpt-image-1.5 では弱い、文字崩れは gpt-image-1.5 に多く gpt-image-2 はゼロ。だから実務では「あるモデルで見た癖を別モデルに一般化しない」「最終的に文字は合成で固定する」の2つが安全だ。新しいモデルは確かに賢くなっているが、確定テキストの責任までは肩代わりしてくれない。