「髙田」と「高田」は別の字だ。髙(はしごだか)は人名でよく使う異体字。これを並べて「髙田と高田のちがい」と描かせて、ちゃんと別の字として出るかを見た。
弱経路は2つの「田」をどちらも常用の「高」で描き、肝心の“ちがい”が消えた。gpt-image-2 は先頭を髙(はしごだか)、2つ目を高で描き分けた。旧字体でも同じ傾向が出る。
「旧字体で圖書館と賣店」も、弱経路は圖・賣がつぶれて粗い別形になり、gpt-image-2 は旧字をきれいに描いた。
これは本編②「なぜ崩れるのか」の長尾分布の話そのもの。学習データに大量に出てくるのは常用字体(高・図・売)で、異体字(髙・圖・賣)はずっと少ない。モデルは「だいたいこの字」のもっとも確からしい形を出すので、希少な字体は多数派の字体に吸い込まれる。補助平面(4バイト)の漢字が崩れやすいのと地続きで、“コードポイントの珍しさ”が効く(→ 崩れやすい字リスト)。
正式表記が決まっている固有名詞は確定テキスト。本編③のとおり文字なし背景+フォント合成なら、髙でも﨑でも𠮷でもそのコードポイントの字形をそのまま置ける(フォントがそのグリフを持っていれば確実)。異体字対応の和文フォント(源ノ角ゴシック/Noto Sans JP 等)を使う。合成の具体的なやり方とグリフ被覆の落とし穴(𠮷 が豆腐になる例)は 実践編「狙ったフォントを画像に入れる」 で実機検証している。
モデルに描かせるなら gpt-image-2・不透明。今回は髙の描き分けも旧字も通った。ただし“描けた”と“常に正しい”は別なので、人名は必ず目視か OCR 照合を入れる。
異体字・旧字体は「崩れ」ではなく常用字体への正規化として現れる。原因は長尾分布で、gpt-image-2なら描き分けられるが、人名・社名は誤字が致命的なのでフォント合成で字形を固定するのが安全。次はかなの微細トラブル(濁点・小書き・長音は本当に崩れる?)へ。